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江戸怪談、本所七不思議を勉強しておこう【パラノマサイト】一覧あり

【一覧】江戸怪談、本所七不思議を勉強しておこう【パラノマサイト】 ゲーム全般
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本所七不思議が、スクエアエニックスさんのゲーム『パラノマサイト FILE 23 本所七不思議』の元になっています。

現在パラノマサイトプレイ中!※ネタバレあり

私は東京の地理にも歴史にも疎く、『七不思議』というのは聞いたことがあっても『本所七不思議』というのが実際に語り継がれていたことも知らなかったので、
このゲームをプレイするにあたり一度頭に入れておこうと思い、本所七不思議について調べてみました。

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本所七不思議とは

本所七不思議とは、本所(現在の墨田区南部、錦糸町・両国・押上)で江戸時代から伝わる怪談話です。
本所は江戸の大半が焼かれた大火災『明暦の大火』を機に再開発が行われ、両国橋が架かった後に大発展していった地域。
そんな場所で人々の間で流行り、現代まで語り継がれている七不思議です

七不思議という言葉は皆さん聞いたことがあると思うのですが、『不思議な話を7つにまとめる』ということが昔からよくあったようで、この”七不思議”というもの自体は本所七不思議よりも前に他の地域で使われていました。
(長野県の諏訪大社七不思議、静岡県の遠州七不思議など)

七不思議は都市伝説や噂話のような類のものであり、人々の間で語り継がれる内に内容が変わっていったり、そもそも7つではなかったりします。
本所七不思議も各話に色んなパターンが存在していますし、7つ以上の話が存在します
また、本所でのお話という以外に共通点もなく、単純に”本所で噂される様々な不思議なお話を7つにまとめたもの”が本所七不思議です。
7つ以上存在するのは、まとめる人によって、どの話を七不思議に入れるか入れないかが変わってくるからです。

本所七不思議は現代でも人気があるようで、墨田区内の七不思議の場所には看板や像が立っていたりします。
怪談にも関わらず、昔から本所の名物として扱われているようです。たくましい……

主な本所七不思議 一覧

置行堀・送り提灯・送り拍子木・燈無蕎麦(消えずの行灯)・足洗邸・片葉の葦・落葉なき椎・狸囃子(馬鹿囃子)・津軽の太鼓 など

それでは本所七不思議の各話をご紹介していきます。

     

『置行堀(置いてけ堀)』について

江戸時代の頃の本所付近は水路が多く、魚がよく釣れた。
ある日仲の良い町人たちが錦糸町あたりの堀で釣り糸を垂れたところ、非常によく釣れた。
夕暮れになり気を良くして帰ろうとすると、堀の中から「置いていけ」という恐ろしい声がしたので、恐怖に駆られて逃げ帰った。
家に着いて恐る恐る魚籠を覗くと、あれほど釣れた魚が一匹も入っていなかった。

置行堀 – Wikipediaから引用

人に取り残されてしまうという意味の「置いてけぼり」の語源となっているのがこの話。
本所七不思議の中でも最も有名なお話です。

置行堀(置いてけ堀)の場所

この、釣りをしていた堀はどこであるか、というのは諸説あり、
我こそが置いてけ堀だ!という場所が数カ所あります。

  • 南割下水(現在の北斎通り)
  • 御竹蔵の堀(現在は両国国技館や江戸東京博物館のある場所)

などが置いてけ堀を主張しているらしいです。

置行堀(置いてけ堀)の正体

そして置いてけ堀には他の戦い(?)もあります。
それは、タヌキの仕業派vsカッパの仕業派です。

老舗の人形焼屋さんではタヌキをモチーフにしていたりしますが、
錦糸堀公園にはカッパ像が置かれていたりします。

他にもカワウソ説や女の姿を見たという説も。
追い剥ぎ説もあるようで……
実際はこれが一番怖いかもね……

『送り提灯』について

提灯を持たずに夜道を歩く者の前に、提灯のように揺れる明かりが、あたかも人を送って行くように現れ、あの明かりを目当てに行けば夜道も迷わないと思って近づくと、不意に明かりが消え、やがて明かりがつくので近づくとまた消え、これの繰り返しでいつまで経っても追いつけない。

送り提灯 – Wikipediaより引用

というお話。

これとは別に石原割下水では『提灯小僧』の伝承があり、これは同一のものだとされているらしい。

提灯小僧は水木しげる先生のおかげでかなり有名ですが、
送り提灯のお話も提灯小僧の話だったんですね。

送り提灯の場所

東京都墨田区、法恩寺付近。

送り提灯の正体

これを真相とするのはアレだけども、キツネの仕業という説があるそうです。
昔の人にとっては送り提灯の話よりキツネが化ける方が現実に近かったんですかね。
今の感覚だとどっちも不思議話ですが。

『送り拍子木』について

江戸時代の割下水付近を、「火の用心」と唱えながら拍子木を打って夜回りすると、打ち終えたはずの拍子木の音が同じような調子で繰り返して聞こえ、あたかも自分を送っているようだが、背後を振り向いても誰もいない

送り拍子木 – Wikipediaより引用

このお話は『送り提灯』の提灯が拍子木になっただけで同じ種類のものらしいです。
同様の話が2つも七不思議のメインどころに入ってくるなんて、人気のあるお話だったのでしょうね。

送り拍子木の場所

墨田区緑4丁目付近

送り拍子木の正体

これはこの話を読んだ全ての人が思いつくでしょうが、
リアルな話で言ってしまうと『自分の出した音が反響して聞こえてきただけ』説が有力でしょうね。

しかし送り提灯と同じ怪異なので、キツネ説は当然あります。

     

『燈無蕎麦(消えずの行灯)』について

江戸時代、本所南割下水付近には夜になると二八蕎麦の屋台が出たが、そのうちの1軒はいつ行っても店の主人がおらず、夜明けまで待っても遂に現れず、その間、店先に出している行灯の火が常に消えているというもの。この行灯にうかつに火をつけると、家へ帰ってから必ず不幸が起るという。やがて、この店に立ち寄っただけでも不幸に見舞われてしまうという噂すら立つようになった。

逆に「消えずの行灯(きえずのあんどん)」といって、誰も給油していないのに行灯の油が一向に尽きず、一晩たっても燃え続けているという伝承もあり、この店に立ち寄ると不幸に見舞われてしまうともいわれた

燈無蕎麦 – Wikipediaより引用

常に明かりがついているパターン
常に明かりが消えているパターンがあるんですね。

今の感覚でいえば、常に明かりがついている方が不思議感が強い。

逆に常に明かりが消えてるのは当然じゃない…?
店の主人いないんでしょ…?それ開店してなくない…?
と思っちゃいますね。

それに、店先に出してる行灯って勝手に火付けていいの??
迂闊に火をつけるって、それ迂闊というかイタズラじゃない??

でもこの話は結構人気があるのか、
この話を元にした小説も出ているようです。

燈無蕎麦(消えずの行灯)の場所

本所南割下水(細かい場所は未確定)

燈無蕎麦(消えずの行灯)の正体

正体はタヌキだと言われているようです。
昔の人がどれだけタヌキかキツネのせいにしてたか分かりますね笑。

しかしこの話だけは歌川国輝による浮世絵『本所七不思議之内 無灯蕎麦』にも
タヌキが描かれているようで(他の話の浮世絵にタヌキは描かれてない)
七不思議の中でもタヌキ犯人説確定!といった流れだったのでしょうか。

『足洗邸』について

江戸時代の本所三笠町(現・墨田区亀沢)に所在した味野岌之助という旗本の上屋敷でのこと。屋敷では毎晩、天井裏からもの凄い音がした挙げ句、「足を洗え」という声が響き、同時に天井をバリバリと突き破って剛毛に覆われた巨大な足が降りてくる。家人が言われたとおりに洗ってやると天井裏に消えていくが、それは毎晩繰り返され、洗わないでいると足の主は怒って家中の天井を踏み抜いて暴れる。あまりの怪奇現象にたまりかねた味野が同僚の旗本にことを話すと、同僚は大変興味を持ち、上意の許を得て上屋敷を交換した。ところが同僚が移り住んだところ、足は二度と現れなかったという。

足洗邸 – Wikipediaより引用

七不思議の中で最もぶっ飛んでいるお話です。

しかしこのお話は明治時代前期まで同じような出来事が他にも起こったと言われていて、かなり人気のあった話だったのかもしれません。

この話を元にした漫画があったりゲームがあったりしますので、現代でも人気のある話なんですね。

足洗邸の場所

墨田区亀沢4丁目付近。

足洗邸の正体

こちらも正体はタヌキと言われています。
これはしっかりとした(?)理由があって、こんなに大きいサイズの足なら胴体は更に大きいはずでそれは屋敷からはみ出すはず。
なのに胴体から上の目撃談はないことから、人間の足だけに化けたタヌキの仕業だと言われているようです。

『胴体は見られてないからこの話は嘘』とならないところが凄い。
江戸っ子の信じる気持ちが強い。強すぎる。

     

『片葉の葦』について

江戸時代の頃、本所にお駒という美しい娘が住んでいたが、近所に住む留蔵という男が恋心を抱き幾度も迫ったものの、お駒は一向になびかず、遂に爆発した留蔵は、所用で外出したお駒を追った。そして隅田川からの入り堀にかかる駒止橋付近(現在の両国橋付近の脇堀にかかっていた橋)でお駒を襲い、片手片足を切り落とし殺した挙げ句に堀に投げ込んでしまった。それ以降、駒止橋付近の堀の周囲に生い茂る葦は、何故か片方だけの葉しか付けなくなったという。

片葉の葦 – Wikipediaより引用

本所七不思議の中で、最も恐ろしいと言っていいでしょう。
片方しか葉がつかなくなったその心霊現象のようなものではなく、人間が普通に怖い。

現代の感覚で考えると、ちょっと怒りすら沸きますね。
この話は加害者の方が全く被害を受けていないので、それも腹が立つ。
作り話なんだしちょっとはスッキリさせてくれ!

この留蔵という男はその後狂ったという話もあるようですが、
私から言わせてもらうと何狂ってんねん!!!!という話ですよ。
真正面から罪を受け止めろ。
(※そもそも実話ってわけじゃありません)

片葉の葦の場所

両国橋付近。

片葉の葦の正体

片方にしか葉がつかない”片葉の葦”というのは不思議な話として全国にあるようです。
なぜ片側にしか葉がつかない状態が起きるかというと、それは風の方向。
同じ方向からしか風が吹かないような場所だと、そちら側には葉はつかなくなります。

実際にこの場所がどうだったかは分かりませんが、
そういうことは普通に起こりうることなんですね。
それ自体は不思議でもなんでもないようです。

『落葉なき椎』について

江戸時代の本所に所在した平戸新田藩松浦家の上屋敷には見事な椎の銘木があったが、なぜかこの木は一枚も葉を落としたことがない。松浦家も次第に気味が悪くなり、屋敷を使わなくなってしまった。

落葉なき椎 – Wikipediaより引用

という不思議なお話。
のはずですが、椎は元々あまり落ち葉がない木なんですね。
それでなくても、本所七不思議の中でも不思議が弱めの話というか……
なぜこれが七不思議の中に生き残ったのか、
それ自体が不思議な気もします。

落葉なき椎の場所

新田藩松浦家の上屋敷(現在:東京都墨田区横網、旧安田庭園)

落葉なき椎の正体

常に落ち葉がないくらいに屋敷の人が掃除をしていた、という説があります。
まぁ…あまり落ち葉がないのなら可能かもしれないけど…

例えば「あそこの椎は落ち葉が全然ないわね。綺麗に掃除されてるのね」
ってよく話されていて、そこから不思議な噂話として派生していった、
というのはありそう。

もしかすると本所七不思議が流行っていた時も、
実際の真相はどうだったのだろう?とか話したり考えたりするのが楽しかったのかもしれない。

怖めの七不思議は人々が”それを考えた結果”の方が残って、
実は七不思議は全てこのようなしょうもな話が元だった、みたいな。

     

『狸囃子(馬鹿囃子)』について

囃子の音がどこから聞こえてくるのかと思って音の方向へ散策に出ても、音は逃げるように遠ざかっていき、音の主は絶対に分からない。音を追っているうちに夜が明けると、見たこともない場所にいることに気付くという。平戸藩主・松浦清もこの怪異に遭い、人に命じて音の所在を捜させたが、割下水付近で音は消え、所在を捜すことはできなかったという。その名の通りタヌキの仕業ともいわれ、音の聞こえたあたりでタヌキの捜索が行われたこともあったが、タヌキのいた形跡は発見できなかったという。

狸囃子 – Wikipediaより引用

という話。
この狸囃子というのは全国で同じような話があり、これも片葉の葦と同じようにちゃんとした根拠みたいなものはありそうですね。
全国で同じような不思議な話がある=根拠がある、という図式が成り立ちそうです。

狸囃子の場所

東駒形三丁目の本所中学校。

狸囃子の正体

このあたりは農村地帯も多く、収穫祝いや秋祭りの稽古の音色が風に流れて聞こえてきたのではないかと言われています。

一番正解に近いと思われる正体が出てきました。
これはきっとそうなんでしょうね。

『津軽の太鼓』について

江戸時代の頃の本所に所在した弘前藩津軽越中守の屋敷には火の見櫓があった。しかし通常火の見櫓で火災を知らせるときは板木を鳴らすのだが、なぜかこの屋敷の櫓には板木の代わりに太鼓がぶら下がっており、火事の際には太鼓を鳴らした。なぜこの屋敷の櫓だけが太鼓だったのかは誰も知らない。

津軽太鼓 – Wikipediaより引用

えっ

別に太鼓でもよくない???

なぜこの話をそんなにも不思議だと思ったのか……
それ自体が不思議な話です。

津軽の太鼓の場所

墨田区亀沢2丁目、緑公園。

津軽の太鼓の正体

正体も何もない気がしますが。
まぁでも確かに、”火事の時に鳴らされる音”が通常と違うと分かりにくいし困るっていうのはあるかもしれません。

もしかすると「なんで太鼓なんだ?」「分かりにくくね?」みたいな話(というか文句)を人々で話すことが多くて七不思議入りしたのかもしれませんが、
それにしてももうちょっと続きの作り話を噂してほしい。という現代人の我儘。

最後に

まだ絶賛パラノマサイトプレイ中なので、まだまだ気になったら調べて追記していこうと思います。

▼ 参考資料・HP ▼

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