【ネタバレあり】都市伝説解体センター感想 正直レビュー

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都市伝説解体センターをプレイし終えたので感想を書きました。

今回の感想記事ですが、ネタバレありなのはもちろんのこと、もう一点注意があります。

この記事では、『都市伝説解体センター』をプレイした筆者カゲノが個人の感想を撒き散らしています。
ネガティブな内容だけではないですが、ポジティブな内容だけでもないです

このゲームが大好きでマイナスな意見は一切見たくない!という方は見ない方が良いかもしれません。

以下、私の感想を簡単にまとめたものをリスト化しているので、この先を読むか読まないかの参考にしてください。

感想をざっくりまとめると……
  • プレイしていてとても楽しかった
  • キャラクターがとても良かった
  • 大オチに関しては若干引っかかる
  • 辻褄合わせと心理描写の無さが気になる
  • これはゲームにする必要性があるのか?問題
  • 色々言ってるけど結局楽しいゲームです

こんな感じです。
色々書いちゃってますが、とにかく楽しかったということは伝わってくれたらいいなと思います。

トシカイくんのネタバレ注意喚起
目次

都市伝説解体センターとは?

『都市伝説解体センター(Urban Myth Dissolution Center、通称トシカイ)』は、集英社ゲームズより発売されたミステリーアドベンチャーゲームです。

プレイヤーは主人公・福来あざみとなり、都市伝説や怪異を調査・解体する「都市伝説解体センター」に関わりながら、事件の真相を追いかけていきます。

Steam / Nintendo Switch / PlayStation5 で販売されています。

私はswitch版でプレイしています。
では感想いくよ!

大オチの衝撃と辻褄が合わないことのモヤモヤ感

大オチに驚愕する富入さん

さっそくここに触れていきます。

まだオチを知らない時点までは、色々と記事にしたいことがあって、
例えば今までの事件でハッキリ解明されていない部分のこととか、いつものように深掘りする記事が書きたいなと思っていました。
色々考えてました。

ですが、最後の大オチを見た後にこれまでの辻褄の合わなさを思い返して、その辻褄の合わなさを無理に合わせるのはやめよう、と思いました。
おそらく無理に合わせれば全て合わせられるんだと思いますが、あまりにも反則技が多くて自分で書いていても納得できないと思ったからです。
おそらくこのゲームの肝はそこではなくて、大オチまでの流れをただ楽しむ方がいいんだなと思いました。
それは十分に楽しめたので、私は好きになれたゲームでした。

カゲノ

「嘘も本当も求めない。ゲームとして一旦預かる」ことが大切。

この大オチ問題に関しては、このゲームのことを考えるにあたってずっとモヤモヤは残っています。
キャラクターのこと、ゲームシステムのこと、シナリオのこと、トリックのこと
何を考えてもあのオチを見てしまうとどうしてもそれが頭に浮かんでしまってここに引き戻されます。

なのでここから先に書くことに関しても、
この大オチ問題のことが絡んできます。

ここがこの記事のタイトルと言っても過言ではない。

考察勢へのサービスと2周目の楽しさ

しかし、真実が知りたい・考察したい勢にもサービスは用意されています。

このゲームは「あれは結局なんだったの?」を解決するために2周目をプレイしたくなる…という作りではあって、
そして大オチを知った後に2周目をプレイすることで、あの時のあの人のセリフはそういうことだったのか…!とゾワゾワすることができます。

カゲノ

そういうセリフが結構あるけど、それでもあの大オチは想像できないよね…

ただし、2周目をプレイしても「で、あれは結局なんだったの?」となる部分もあります。

なので、2周してもスッキリはしません。

謎を解くために再プレイするのではなく、製作陣の皆様からのお楽しみサービスを受け取るためにプレイする、というような感覚がベストだと思いました。

2周目で気づく美桜の一言
美桜ちゃんがおかしくなってると思って1周目は耳に入れなかった言葉。

テンポの良さとその功罪

テンポがとっても良い!

ただ、テンポ良すぎて私の感情や頭がついていけないときがあった。
主に最後の方。

廻屋が管理人だということはほぼ確定状態で教会に向かいますが、
それでもやっぱり、廻屋じゃないといいのにな…と思いながら行ってたわけです、私は。

ほぼ確状態だと、どんでん返しが来る可能性もありますし。(まぁとんでもないどんでん返しはあるんですけど)

でもやっぱり管理人は廻屋で、廻屋の気持ちを「そっか……」と聞いていたら、そこからのテンポは鬼レベルで
私が意識を失っているうちに気がついたら、あざみーと管理人と廻屋と歩が同一人物だった!はい!エンドロール!
くらいの感覚で押し寄せる現実。
終わるゲーム。

もうちょっと待ってくれ…!

カゲノ

ここも、ゆっくり味わうんじゃなくてとにかく楽しむゲームだなと思った理由。

キャラクターの魅力とその扱い

トシカイのキャラクターたちは個性豊かで素敵。
悪役も今の時代のリアルな悪役で良い。

その中でも気になるキャラクターと、
そしてそのキャラクターの扱いについて書きます。

尊きあざジャスコンビ

特にジャスミンとあざみーが尊い。

この2人の関係性が深まっていく描写がとても自然で、
何か大きなキッカケがあるわけでもなく、いつのまにか仲良くなってるのが良い。

ミステリーツアーをちょっとだけ抜け出して2人でSNS調査をする時の絵がたまらなく好きでした。

スマホをいじるあざジャス

2人とも自然体で気を抜いてだらっとスマホいじってる、みたいな雰囲気。

ここから更に進んで2人ともお互いを守りたいという気持ちで動くようになり、そしてあのハグ。

あの関係が最高すぎたので、だからこそ最後にあざみーが一時的に作られた人格とされたことが悲しかった。

あの2人はもう一生戻らない……2人の関係性も全てが夢オチのような扱いになってしまうのが悲しい。

こちらは悲しいのに、ゲームのノリは悲しみを感じさせないものになっていて、それがまた悲しい……

不憫な警察側のキャラクター達

黄昏る警察コンビ

警察側のジャスミンと富入さんはとても魅力的なキャラクターで、
人柄も怪しさも佇まいも良く、更に2人とも優秀でかっこいい。

……はずだったのに、大オチがあれなら2人は全然優秀じゃなくなってしまう。
ジャスミンなんて降格ものじゃん……

あんな騙され方するのは、おっちょこちょいなダメキャラかモブかじゃん……

富入さんも、警察が追っている管理人自身をクローゼットに入れてしまったことになるわけで、
警察側に立ってみるとこれ本当に最悪なミスです。

あざみーも警察関係者ではないのでそもそもこれがバレたらクビなのですが、管理人を入れてしまった富入さんが後悔や反省をしている描写がないのが特に辛い部分。

ジャスミンもそうで、「あれだけ近くにいても気付かなかった」と言ってましたが、
その一言で片付けられるミスの内容ではないと思うんですよね。

二人の失態に対するゲーム内での触れ方としてはそれくらいなので、2人がこのミスに対して「仕方なかったよね」という空気になってるように見えてしまいます。

犯人側が天才なので、優秀なキャラだって騙されることはあるし時にはやらかすのは仕方ないことです。
が、優秀なキャラにはそのことを悔やんだり自省する描写をつけてあげてほしい。

例えば逆転裁判の御剣検事(優秀キャラ)が冤罪を生んでしまったら、彼は精神的に追い詰められるでしょうし、反省も後悔もするでしょう。
検事を辞めることも考えるでしょう。
すぐにそう想像できるのは、彼が間違えてしまった時の反応や対応を今まで見てきたからです。
ちゃんとそこを描いてくれます。

都市伝説解体センターの場合はそれがなかったのは、テンポを重視した結果なのだと思いますが、
とても素敵で魅力的なキャラクターなので、テンポよりも一人一人をもっと愛してあげてほしかった、というのが本音です。

特に楽しかった箇所

廻屋に感じる不信感のバランス

廻屋は怪しいと最初から感じる人物ではありましたが、
最終話辺りの「廻屋は管理人なんじゃないか」という疑いが強まってくる微妙な時期に、
SNSで都市伝説解体センターが標的にされていきます。

「黒幕なんじゃないか」「管理人やジマーと同じ」「あいつらは仲間」というような書き込みが散乱していたことで、
プレイしている側の私に
「今この段階でこう言われているということは、廻屋は管理人ではないのではないか」
「世間が疑っている人物がそのまま犯人ってことはないんじゃないか」
と思わせてくれた辺りがとても良かったです。

更にこの辺りで廻屋を操作することもできて、『黒幕じゃない感』が高まります。

カゲノ

大オチを考えるとこの廻屋を操作できるっていうのも若干の反則感がありますが、ここは当時のプレイ感想なので大オチのことは一旦無視します。

しかし、そこから更に「やっぱり廻屋が管理人なのでは」と思わせてきたり、
研究所で「やっぱり管理人だ……」と思わせた後の最後の教会の段階でも、
管理人が画面に映された状態で廻屋から電話がかかってきて一瞬だけ実は管理人じゃないんじゃ!?と一縷の望みを感じたり、
揺さぶりが多くあります。

この辺がとても楽しかったです。

如月努の研究所でのドキドキ感

研究室で調査していた時がこのゲームのピークでした。

写真を見て弟の姿が廻屋に似ていた時、
そして秘密結社の絵にシカが描かれていることに気付いた時、
なぜか痕跡ではなく思い出に触れているような感覚を持つあざみちゃん、
真っ白になる画面……

ゾワゾワとワクワクが最高潮になり、
そして廻屋が今まで見せたことがない悲しみを抱えていることを知って、

どうにか実は廻屋じゃなかったという展開にならないものか…
とめちゃくちゃ先が気になるけどでも見たくない、という気持ちになりました。

あの時、本当に楽しかった。

この辺りから最後の解体までは、早く続きが見たいけど先に進めたくない…と思っていました。
イヤダ〜〜〜〜センターちょう〜〜〜〜〜って。

カゲノ

この進めたいけど進めたくない感情、大好物。

これはゲームである必要があるのか?問題

AVGだけでなくストーリー重視のゲームすべてに対して私はこの必要性を常に求めています。

例えば『OMORI』はストーリーが最重要で、
ゲーム性が高いとは言えませんが、それでも自分で動かしてプレイする意味が確実にあるゲームだと思います。
これはゲームである必要がある。
『OMORI』の感想記事はこちら

『逆転裁判』もAVGでテキストを読むことが多いですが、
プレイヤーが必要なゲームだと思います。
「プレイヤー自身も成歩堂と一緒に謎を解き明かしている」と思うことができるゲームです。
ゲームである必要があります。

『ファミレスを享受せよ』もそう。
これなんかはほとんどテキストを読むゲームです。
トシカイよりもテキストメインです。
主人公を動かせる範囲もとても狭い。
でもこれもゲームである必要がありました。
というかちゃんと、自分でプレイしなきゃ味わえない感覚っていうのを作ってくれているなと感じました。
『ファミレスを享受せよ』の感想記事はこちら

で、このゲームなんですけど、
正直なところ、ゲームである必要性は無いように思えました。
漫画やアニメでもいい気がします。

基本的に何か重要な決定するときにプレイヤーの私は無関係で、私の決定ボタンで何かが起こることはありません。

分岐がなく一本道のストーリーだったとしても、『自分が選択した』『自分がこの状況を作った』と思わせてほしいのです。

またここで大オチの話を出しますが、そもそもこのゲームで私がやったことや見たもの、そのほとんどが「実は存在しなかった」ので、
最後までプレイすることで更にプレイヤーの存在感が薄れます。

このゲームをプレイしていた時とても楽しく、すごく続きが気になるし早く仕事を終わらせてプレイしたい!と毎日思ってました。

プレイ直後も呆気にとられドキドキしていました。

しかし、この楽しさの種類は良いゲームをプレイした時の楽しさではなく、漫画を読んでいる時や連ドラを見ているときのものに似ていました。

ここは私の中でとても大切にしている部分なので、ちょっと引っかかります。

結局のところトシカイはこれで良かった

解体した廻屋

色々言っちゃいましたが、
かと言ってキャラクターの心情を丁寧に描いていたらこのゲーム独特のテンポはなくなってしまうし、
大オチへの辻褄を完璧に合わしたりしていたらラストへ向かう時のあのドキドキ感とプレイ中の目まぐるしい混乱は無くなってしまうのだと思います。

カゲノ

辻褄がちゃんと合っていたら途中で気付く人は気付きますもんね。
意外な展開だとしても、半分以上の人は気づいちゃう。

楽しさとテンポの良さに全振りしたのがこのゲームの個性なので、
それはそれで良いんじゃないかと思ったりします。唯一無二。

丁寧なキャラクター描写やトリックを組んでくれたからといって、それで更に売れるのかといったらそういうわけではないと思うし。

プレイ中の私はとってもこのゲームを楽しんだと思いますし、良い時間を過ごしたなとも思っています。

ほとんどの人が気付かない大オチを用意するために辻褄合わせを捨てて、
最大級にテンポを良くするために心理描写や色々なものを捨てて、

この捨てたものはとても大きいものだと思うのですが、それでもこれだけ楽しめるゲームに仕上げたのは凄いなぁと思いました。

ではここで、なんやかんや言いながらアホみたいに楽しんだ私の様子をご覧ください。↓

高齢者にオススメのゲームです

ほとんどの人には当てはまらないかもしれませんが、私には個人的にこのゲームに感謝していることがあります。

私の母もゲームをやる人なんですが、還暦過ぎの高齢者には普通のゲームは難しくてなかなか出来ないのです。
昔は最新のRPGもやっていましたが、最近は新しいゲームをプレイしても続かなくて、最初のルールや操作方法を覚える段階で挫折してしまいます。

最近の母は逆転裁判が大のお気に入りなのですが、逆転裁判には(一応)ゲームオーバーがあるので、母がプレイに詰まると私に連絡をくれて、私が先のヒントを出したり正解を教えてあげたりしています。

親子の交流としてはこれも良いんですが、もちろん私もいつも対応できるわけではないので、そうなると母はゲームができる時間なのに出来ないことになってしまうわけです。

都市伝説解体センターは、普段ゲームをやらない人やしばらくやっていない人に向けて作ったと聞きましたがそれはその通りで、
このゲームにはゲームオーバーもないし解答も間違い放題なので、詰まるところはありません。
このゲームを母に勧めてからプレイし始めて、全然ゲームのことで連絡がないので、スムーズにプレイができているようです。

このゲームはゲームである必要がなくて、漫画やドラマ(アニメ)でもいい
と言いましたが、高齢者にとってもそうだとは思います。

ただ、私の母のように「ゲームが好き」なのに、ゲームができなくなってくるのは寂しいでしょう。
そんな母でもこのゲームなら簡単にプレイができるので、それは本当にありがたいです。

それに、漫画やドラマよりは指を動かすので、脳を運動させるためにも良いと思う。

カゲノ

内容的には若者向けなので、母の世代が好きそうな古風な本格ミステリー(でもゲームとしては超簡単)を出してほしいなぁ。

まとめ:色々言ったけど、このゲームは楽しい

大オチの辻褄が合わないとか、心理描写が物足りないとか、「ゲームである必要ある?」とか、
正直に色々言っちゃいましたが、結局私がプレイ中ずっとワクワクして楽しんでいたことに変わりはありません。

ゲームとして細かく考えると引っかかるところがたくさんあるけど、
『都市伝説解体センター』は細かいことを考えずに全力で楽しむのが正解のゲームなのだと思います。

カゲノ

うん!きっとそう!

むしろこのゲームの魅力は「考えさせないテンポ」にあると言ってもいいかもしれません。
私自身、あれこれ考えながらもプレイ中はずっと続きが気になっていました。

プレイ後に深く考え込んでしまうゲームが好きなのですが、このゲームは真相を最後にちゃんと明らかにする(風呂敷を畳んでいる)ゲームなので本来考えることなんてないんですけど、

この通りめちゃくちゃ考えました。
ここ数日考えました、考えすぎて、なぜかゲーム業界全体のことまで考えました笑

なんだかんだ言いましたが、
このゲームをプレイして本当に良かったなと心から思っています。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

カゲノ

「奇々解体」最高だよね。

※公式がゲームクリア後の視聴を推奨しています。

公式サイト:https://umdc.shueisha-games.com/
開発:墓場文庫
販売:集英社ゲームズ ©Hakababunko / SHUEISHA, SHUEISHA GAMES

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この記事を書いた人

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