我々が住んでいる天の川銀河について調べてみました。
天の川銀河の死は近い
天の川銀河は最近まで比較的若い銀河だと考えられていたようですが、現在ではもう結構なお歳だということが分かってきたみたいです。
若い銀河は星の形成が次々と起こりますが、天の川銀河では星の生成がされなくなってきています。

太陽より若い恒星はほとんど無いほど。
銀河が衰退していく理由はいくつかあるようですが、
天の川銀河の場合は『質量が大きすぎる』ことが原因のようです。
天の川銀河って大きいの?
天の川銀河は他の銀河に比べても大きめの部類。
銀河の中央には超大質量のブラックホールがありますが、その質量で銀河の大きさも変わってきます。
天の川銀河中央のブラックホール質量がでっかいということですね。
銀河は吸収・合体をしながら成長するので、大きいということはそれだけ古いということにもなります。

稀に大きいけど新しいのもあるにはあるらしいが。
銀河の吸収・合体
銀河の中には矮小銀河というものがあり、これは質量もサイズも小さな銀河のことです。
中には中央のブラックホールが確認できないようなものもあるとか。
そんな矮小銀河はたくさん存在していて、天の川銀河のような大きい銀河にぶつかると吸収されてしまうことがあります。
天の川銀河に矮小銀河がぶつかった形跡は確認されており、
過去に何度かレベルではなく、普通にめちゃくちゃ事故るみたいです。

そう聞くと銀河の中の星同士もぶつかりそうで危険に思えますが、星の間隔はとても離れているのでぶつかるなんて奇跡の確率なんですって。
銀河同士ぶつからなくても、近くを通り過ぎるだけでもこちらの重力によって、矮小銀河のガスを吸い込んだりもします。
あっちからしてみたらとんでもないバケモンです。
そうやって天の川銀河は成長して大きくなっていくわけですが、
バケモノは周りのものを取り込みすぎてキャパオーバーとなっていきます。
質量の大きさが致命傷になる理由
天の川銀河は矮小銀河を取り込みながら、成長していきます。
どんどんと巨大になっていくと、それと同時に質量も増えていきます。
質量が増えるとそのぶん重力も大きくなっていきますので、
星の形成に必要なガスをものすごい勢いで引き寄せます。
その強い重力で引き寄せられたガスは、吸い込まれる時に猛烈な勢いで加速することになります。
加速すると、それらは超高温状態になってしまうのです。
超高温ガスは銀河中央の円盤には取り込めず、ハロー(外側)にとどまることになります。
なぜかというと、あまりに加速し動き回るために円盤の重力では引きつけられなくなるのです。
ハローにとどまってしまうため、円盤部分ではガスの供給が絶たれてしまうことになります。
ハローでは星の形成に必要な環境が整っていないため、星の形成は難しく、この状態に陥った銀河では新しい星が生まれなくなってしまいます。
これが質量の上限を超えるということで、
天の川銀河が死に向かっている理由だと考えられているようです。
でも少しだけなら寿命に逆らうことも出来るらしい。
アンドロメダ銀河と合併して生きながらえる
天の川銀河の隣にはアンドロメダという名の銀河があります。
アンドロメダ銀河は、天の川銀河よりも更に大きく、これもまた若くない銀河です。
アンドロメダと天の川は一度ぶつかった形跡があるらしいのですが、お互いを弾いて離れ、今また互いの重力で近づいている最中。
そのうちにこの2つの銀河は合体する可能性があるようです。
ぶつかる頃には2つの銀河はもう星の形成なんてできないような状態ですが、
ぶつかって合体すると、ガスが発生して再び星が形成できます。

また若返ることができるんですね。
しかし誤魔化しに過ぎない……
若返って星を形成できるようになって無問題!ということにはなりません。
ここからこの銀河は再び急速に老いていきます。
ガスが発生して再び星を形成し、巨大な青い恒星が誕生します。
この青い恒星は寿命が短く、すぐに超新星爆発を起こしてしまいます。
爆発が次々と起こり、これがガスを吹き飛ばしてしまうことになります。
更に、2つの巨大銀河が合体したので、超大質量のブラックホールも2つ存在することになります。
重力によってこの2つはそのうちに合体します。
するとこの合体ブラックホールは大量の物質を引き込んで、莫大なエネルギーを放出する状態(クエイサー)になり、熱を放出。
それによってここでもまたガスが吹き飛ばされます。
結果、またガスは無くなってしまって銀河は終わりを迎えてしまうことになります。
