廃品置き場から拾い上げた3体のロボットを充電して、壊れるまでの最後の会話を楽しむゲーム『BatteryNote』。
限られたバッテリーの残り時間で、彼らは何を思い、どう最期を迎えるのか。
選ぶのはプレイヤーである私たちです。
『BatteryNote』は、会話の積み重ねと“扱い方”で結末が変わる、短編寄りのSFアドベンチャー。
この記事では、作品の核となる体験をネタバレなしでご紹介します。
どんなゲーム?(ネタバレなし)

- タイトル:BatteryNote
- ジャンル:アドベンチャー / ビジュアルノベル / SF
- 開発・販売:72studio / room6
- 対応OS・入力:Windows / macOS
- 体験版:あり
- リリース日:2025/10/10

薄暗いガレージで3体のロボットを充電して“再起動”させ、会話を重ねながら彼らの記憶や背景に触れていきます。
対話を丁寧に続けることも、高電圧を与えて反応を試すこともでき、
その接し方が反応を変え、エンディングに影響します。
個々のロボットに向き合う時間には制限があり、マルチエンディングの中から少しずつ異なる終点へとたどり着く構造です。
難しい操作はなく、最初の一周を特別に感じられる設計が明言されています。
表現は90年代携帯機風の4色ピクセルで統一。
ミニマルな見た目が、会話や選択の重みを前面に押し出し、何度か周回して少しずつ違う終わり方を集める遊びと相性の良い作りになっています。
カゲノ個人的には何周かして違うエンドを是非見てほしい!
良かったところ
初見でロボットと会話を始めてから「こいつには高電圧を流してもいいかも」と思う瞬間があったりします。
言ってしまえば、彼らは必ずしも良いロボットではないからです。
しかし、人間もそうであるように、ロボットにもそれぞれの記憶があり人生があります。
なぜ彼らが良いロボットではないのか。その過去を知っていく過程と自分の感情の変化が楽しく切なかったです。
ロボットは3体いて、
- ウェイターロボの『ジェシカ(J.S.C.A.)』
- 軍事用戦闘ロボの『デバイントR7(Surverry)』
- セキュリティロボの『サーベリー(Devind R7)』
それぞれが個性的で全く違う性格を持っています。


こういったゲームでは、私は基本的に平和に終わりがちだし、平和に終わってしまうとその後キャラクターたちを苦しめるような選択は取れないと思ってしまいがちなんですが、
そんな私が個人的に感じたのは、このゲームは『平和に終わらせたい派』にもかなり優しい。
平和派でも、別のエンドを見やすいように設計してくれているように感じました。
それと同時に「優しさってなんだろう」と考えさせられることにもなったり……
随所で感情を揺さぶられます。



個人的に一番色々と考えさせられたのは、初見で一番「なんだこいつ」と思ったロボのことでした。
ドット絵やBGMも非常に良くて、
考えさせられながらもゲーム自体はサクッと終わるのも良い。
ボリュームの割に、心に残るゲームです。
気になったところ
一箇所だけ文字が抜けているところや、会話スキップが機能せず止まってしまうところがありますが、
リリースしたばかりなのでそれらは近いうちに改善されるのではないかと思います。(2025.10.17現在)
基本的には会話をするだけなので、操作も簡単で不満点は特にありません。
サクッと遊べるボリューム感なので、
しっかりストーリーを味わいたい人にはおすすめできません。



その割には様々な感情を持てるゲーム。
また、これはキャラクターとの会話を楽しむゲームですが、会話の一つ一つの選択肢による結果(ロボットの反応)にはあまり期待しないほうがいいかも。
「高電圧を流せること」がメインと考えた方が良いです。


最後に
初見は素直に自分の感じるままプレイをし、周回で自分の価値観・倫理観をぐらぐらさせられるゲームで楽しかったです。
時間のない方でも出来るボリューム感なので、仕事終わりにサクッとプレイできます。
個人的にはしっかりめのストーリーが好みですが、このゲームにこれ以上のボリュームがあるとかなり重くなるかなと思うので、誰でもプレイしやすい軽さがあって良いと思います。



そして私はデバインドが好きです。
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